- 病院トップページ >
- 理学療法・作業療法・言語聴覚療法について
理学療法について
理学療法では歩行を中心に基本動作や移動能力の再獲得を目指した練習を行います。
徹底的なリスク管理のもと、「早期に離床する」、「車椅子に座る」、「立ち上がる」、「装具や歩行補助具を活用して歩く」などを行い、身体機能や基本動作能力の改善を図ります。
必要に応じて、長下肢装具・短下肢装具の使用、杖や歩行器などの最適な歩行補助具を選定し、歩行訓練に最適なリハビリテーション支援ロボット(ウェルウォーク、オルソボット)や機能的電気刺激装置(L300)なども駆使して、歩行能力を最大限に引き出すよう支援しています。

ウェルウォークは、第8回ロボット大賞にて、厚生労働大臣賞を受賞した先駆的なリハビリテーションロボットです。
このウェルウォークを活用することで、従来のリハビリテーションで行えた歩行訓練の量・質ともに拡大することが可能になりました。
しかしこのウェルウォークの性能を最大限に発揮するためには、歩行訓練に精通している理学療法士が必要になります。そのため、ウェルウォークを使いこなせるスタッフの育成にも力を入れています。

理学療法士は歩くことを回復させるプロ集団です。
転倒リスクが高い患者さまに対しても、ロボットや装具、電気刺激装置、歩行補助具を駆使し、潜在能力の限界まで引き出す練習を繰り返します。
患者さまが退院後の生活で不自由なく歩くことができるよう、日々奮闘しています。

身体機能を改善させるうえで、患者さまの表情や動きから疲労感や痛みの程度を読み取りながら、筋力強化や関節可動域の練習を行っています。
決して楽な運動ではありませんが、常にやる気を出す声かけを意識し、患者さまに頑張ってもらっています。
作業療法について
作業療法では、「こころとからだを元気に!自分らしく生きるためのリハビリテーション」を提供しています。
具体的には腕や手を使いやすくする練習や、食事・更衣・排泄・入浴などの日常生活活動の獲得を目指した練習と同時に、やりがいや生きがいも高めていくよう関わります。
必要に応じて電気刺激装置や上肢用ロボット型運動訓練装置を駆使し、上肢機能の最大限の回復や、高次脳機能面の改善を目指して注意機能や遂行機能を高める練習を行います。また、家事動作の獲得、家庭・職場復帰、趣味活動の獲得なども支援しています。

脳卒中などの障がいにより、片腕、手が使いにくくなることがあります。
その障がいを少しでも改善させるのが作業療法士の役割です。
患者さまの状態に合わせてさまざまな道具を駆使して練習を行います。
その際に精神面にも配慮し、患者さまの気持ちに寄り添いながら進めていきます。

患者さまが自宅での生活に戻るためには、病前の役割を再び担えるようになることが重要です。私たちは、掃除や洗濯、調理などの日常生活動作の練習を通じて、患者さまが自分らしい生活を再建できるよう支援します。
また、自宅での練習が可能な場合は、退院後の生活がより具体的にイメージできるように、自宅環境に即したアドバイスや環境調整、代替手段の提案などを行い、実生活に即した支援を提案します。

上肢用ロボット型運動訓練装置であるReoGo-Jを用いることで、患者さまに適した上肢の機能訓練を自主トレーニングとして行えます。
その結果、リハビリテーションの質・量ともに拡大し、当院に入院する患者さまの上肢機能改善に貢献しています。
言語聴覚療法について
脳卒中などの後遺症により「言葉がでにくい」、「飲み込みにくい」などの構音障がい、失語症、摂食・嚥下障がいが生じることがあります。
言語聴覚療法では、発声・構音訓練や言語訓練を通じて、患者さまが円滑に会話できるよう治療を行っています。
患者さまの個人差に合わせたコミュニケーション方法をご家族に説明し、コミュニケーションを楽しめるよう支援しております。
また、摂食・嚥下訓練により飲み込みの機能回復を援助し、患者さまが「食べる楽しみ」を再び感じられるよう努めています。
当院では嚥下造影(VF)および嚥下内視鏡(VE)を実施し、より質の高い評価と多職種によるアプローチを行っております。

脳卒中により食べ物や飲み物を飲み込む機能が低下することがありますが、リハビリテーション医とともに造影検査などで評価して、その状態に適した嚥下食を選択して安全な食生活を確保します。
少しでも食べ慣れた物を再び口にすることができるよう、元の食生活に近づける努力をしています。

顔面の麻痺によるろれつ障がいや、「話す・聞く・読む・書く」の言語機能全てに障がいが生じる失語症など、さまざまなコミュニケーション障がいに対しても、言語聴覚士は支援を行います。
言語機能の回復を目指すことはもちろんですが、代償手段の提案も行い、見た目ではわかりにくい障がいに対して社会復帰を達成できるよう、多角的な支援を行っています。